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男はつらいよに関する横尾氏の不満 [邦画]

この映画自体、好みではないので全く見ることはありませんが
今回、すでに亡くなられている渥美清さんが映像に出るらしい、
と言う話は聞こえてきていて…ふ〜〜ん、と言った感じで思っていました。

実のところ、亡くなった俳優さんをCGで再現したりするのは
余程、必要に迫られない限りどうしても微妙な感覚を覚えます。

たとえば、撮影途中で亡くなられたから仕方なく、
とかだったら理解できますが、
CG処理で亡くなられている俳優さんの全く新しい映画を作る、
なんて言うのは反応としてはかなり微妙。
ファンであれば新しい映像を見たいとは思うものの
全くのCGと言うことになればそこに本人は全く介在しないのですからね。

…という議論になりそうな話は置いておいて
今回の映画でどのように渥美清さんが表現されたかは知りませんが、
記事を読んでがっかりしたことが二つあります。

「渥美さんなしに寅さんは撮れない」とおっしゃった山田監督に
「過去作品からのコラージュで構成すれば良い」と提案し、
その後、渥美さんの登場する寅さんの新作が発表されるものの
横尾氏には何の相談もなく、アイデアを盗用された、と憤っておられる…
らしいのですが。

まず、亡くなっている人を
新たな映像作品に登場させるときのアイデアとして
過去映像の再編集だったりCGを使うことは
何も新しいアイデアではなくて、当然帰結する手法です。
それを横尾さんから提案されたときに
「思いついていなかった」らしい山田監督に驚き。
今の時代の人だったら普通に思いつくし
素人に相談しても得られる単純な回答です。

そしてそのアイデアはアーティストだから生まれたアイデアだと
相談もなく進められたことに憤る横尾さんに驚き。
全く突飛な発想でもなく、先にも言いましたが
そこらにいる素人に「今はいない渥美さんを映画に出したいけど」
と聞いてみれば帰ってくるシンプルな答えです。
何のクリエイティビティもない。
今、「俺のアイデアだ」とつぶやくことすら恥ずかしいレベル。
お二人とも歳を取られたんだなぁ、と言う感想しかない。

根本的には相談しておいて
アイデアを提供されながら無視した、と言うのは
確かに腹立たしいでしょうが、その内容が貧弱なのは
何とも哀しい…
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